近視進行抑制点眼マイオピン(Myopine)

マイオピン0.025%

近視進行抑制点眼マイオピン(Myopine)

マイオピン(点眼薬)はお子さまの近視の進行軽減におすすめの点眼薬です

マイオピン点眼薬(Myopine)とは、
小児期の近視の進行を軽減させることを目的に開発された点眼薬です。

※マイオピン点眼薬は近視の症状があるお子さま(6歳から開始)への処方がすすめられており、処方する際は少なくとも2年間は継続して使用することをおすすめします。

マイオピン点眼薬の効果

近視の進行を抑制するアトロピンという成分を0.025%配合させた点眼薬で、Singapore Natuonal Eye Centre(SNEC:シンガポール国立眼科センター)の研究に基づいて開発されました。

副作用がほぼ皆無の目薬で、マイオピンを点眼しない時に比べて、60%程度の近視抑制効果が期待できるとされています。

主な効果は二つあります。

マイオピン0.025%

毛様体筋を緩める

カメラのレンズに例えられる水晶体は、ピントを合わせるために厚さを調節します。
調節では毛様体筋という筋肉が使われ、引っ張ったり緩めたりする働きをします。
近くでものを見るときは毛様体筋の緊張で水晶体が膨みピントを合わせています。
このときの緊張を(点眼薬で)解くことで遠くが見えやすくなります。

眼軸長延長の抑制

眼軸長とは、黒目から目の一番奥にある網膜までの長さのことです。
眼軸長が正常より長いと、網膜に映し出されるはずの像が手前で映されることによって、遠くが見えにくくなります。
マイオピン点眼薬ではこの眼軸長が長くなってしまうのを防ぎ、遠くが見えなくなる症状を防ぐ効果があります。

意外と怖い?近視の危険性

近視の進行を抑制することが大切な理由

高度な近視を放置すると、回復不可能な視力喪失、黄斑変性症、網膜剥離、または緑内障に発展する可能性があります。
※近視についてオルソケラトロジーのページに記載があります
オルソケラトロジー
子供の近視急増の原因とケア

最近の研究によりますと、東アジア諸国、即ちシンガポール、台湾、香港、及び日本での近視の有病率及びその重度は上昇する傾向にあると指摘されており、15~20%が高度近視であることが確認されています。この傾向は、目の病気の増加から財政的な負担も増えると考えられいます。

近視進行抑制点眼マイオピン(Mypione)の特徴

毎日たった1滴点眼するだけの、非常に簡単な治療法です。

各容器(1本5ml)は両目用に1ヵ月間の使い切りになっております。

日中の光のまぶしさに影響を及ぼさないため、サングラスもほぼ不要です。

目の遠近調整機能(手元を見る作業)にも殆ど影響を与えません。

近見視力の低下に殆ど影響を与えず、更に進行性眼鏡も不要と言われています。

本製品はGMP(医薬品製造管理および品質管理基準)準拠の工場で製造されています。

マイオピン点眼薬が選ばれる理由とは

近視進行抑制点眼マイオピン(アトロピン配合)点眼薬は、近視の進行を遅らせるという点で統計的にも臨床的にも有意義な効果が確認されている唯一の治療法です。

しかし、アトロピンという成分には強い副作用があります。
マイオピン点眼薬よりアトロピンが多く含まれている点眼薬(1%配合)は1960年から使用されていますが、以下のような副作用を引き起こします。

  1. 瞳孔がひらき続けることによって、目の中に入ってくる光の量が増加し、まぶしさと強い光による不快感や目の痛みがある。
  2. 目の調節機能が低下するため近くのものがぼやけて見え、読み書きなど近くを見る作業が困難になる。
  3. アレルギー性の結膜炎や皮膚炎を及ぼすことがある

マイオピン点眼薬では低濃度0.025%のアトロピンで出来ているので、上記のような副作用をきたすことはほとんど無く、近視の進行を遅らせることができます。 これが、マイオピン点眼薬が選ばれている理由です。

近視進行抑制点眼マイオピンは安全です

アトロピン点眼効果の研究報告

シンガポール国立眼科センター(SNEC)の研究によりますと、アトロピンの効果は点眼を2年間継続した後によるものです。

  1. アレルギー性結膜炎及び皮膚炎の報告はありませんでした。
  2. 眼圧(IOP:Intraocular eye pressure)に影響を与えないとの報告でした。
  3. 白内障を発症させるとの報告はありませんでした。
  4. 点眼終了後も目の遠近調整機能の低下、また瞳孔がひらき続けてしまうという報告はありませんでした。
  5. 電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はありませんでした。

アトロピン点眼効果研究報告

マイオピンは保険適用外です。

マイオピンに関する診察や検査などはすべて保険適用外です。
詳細は各院までお問い合わせください。

マイオピンの受診頻度は3ヶ月に1回

初回検査

一時的に調節機能を少なくする点眼(サイプレジン)を使用した視力検査や眼軸測定を行います。
検査時間は2時間程度です。
サイプレジン点眼後は1~2日間まぶしく感じたり、ぼやける状態が続きますので、大事な行事があるときは避けてください。
医師から検査結果の説明がされ、適応であればマイオピンを処方します。

2週間目検診

きちんと点眼ができているか、見え方の変化、アレルギー性結膜炎などの副作用がないかをスタッフが確認します。
視力検査には30分~1時間ほどかかります。その後医師の診察を受けていただきます。

1ヶ月目検診

2週間目検診と同じ内容で、次回の3ヶ月目検診までのマイオピンを処方します。 それ以降は3ヶ月毎に受診していただきます。

監修者:勅使川原 剛|横須賀中央眼科 院長

医学博士 MBA
MD. PhD. MBA. MA (Interpretation & Translation)
略歴
聖路加国際病院外科系レジデント
横浜市立大学医学部附属病院
University of California San Francisco (UCSF)
University of Bath, UK
横浜市立大学医学部 眼科 臨床教授


所属学会
日本眼科学会
日本臨床眼科学会
日本眼科手術学会
日本白内障屈折矯正学会
ARVO (The Association for Rearch in Vision and Ophthalmology)
ESCRS ( European Society of Cataract & Refractive Surgeon)