激しい頭痛、目の痛み、充血、吐き気、虹のようなものが見えたら「急性緑内障発作」かもしれません
急性緑内障発作とは
まずはじめに、緑内障という病気をご説明します。
通常であれば、目は適度な硬さを保っています。この目の固さの数値を眼圧と呼ぶのですが、緑内障とは何らかの原因でその眼圧が上がり、目の奥にある視神経を圧迫することで視力や視野に異常が出る病気です。視神経とはものを見るときに、目にうつった視覚情報を脳に送る大事な神経です。脳が視覚情報を解析・認識することで「見える」という感覚を掴みます。
緑内障は徐々に視神経が障害されて進行していく病気ですが、そのなかでも「急性緑内障発作」は、突然眼圧が上がってしまう病気です。
急性緑内障発作の原因
眼圧が急に上がる理由
人の目は「房水」という液体が循環しています。房水は栄養分や老廃物を運んでおり、目から排出されるときに「隅角」という場所を通ります。眼圧を一定に保つためには、房水の量を一定に保つことが重要といわれています。
房水は日々新しく作られているので、隅角が詰まると房水が行き場をなくしてしまい、目の中でパンパンになります。すると眼圧が急激に上がり、急性緑内障発作が起こります。
隅角が生まれつき狭い方はもちろん、ストレスや精神的な興奮、うつぶせになったときに隅角が塞がることがあります。
急性緑内障発作の症状
急性緑内障発作の症状として、頭痛、目の奥が痛い、充血、吐き気、虹のようなものが見える、などが起こります。あまりに激しい頭痛が起こるので、最初は目の病気に気づかず、救急科に来られる方の多い病気です。発症してから時間が経つほど視力の低下や視野の狭まりなどの症状が出てきます。治療をしないままでいると、短期間で失明に至ることもあります。
頭痛
充血
目の痛み(奥)
視力低下
急性緑内障発作の予防
急性緑内障発作は、40歳以上の女性が発症しやすいことがわかっています。
また、遠視の方、冷え性の方、低体温の方、ご家族で緑内障の人がいる方は、急性緑内障発作の発症リスクが高い傾向にあります。これらに当てはまる方は、定期的に眼科を受診してみてください。
急性緑内障発作の治療方法
症状の程度によって治療方法は異なりますが、
一般的に、眼圧を下げるための点滴や点眼、内服薬治療からはじめます。
予防として隅角が狭く、発作を起こしやすい人は白内障手術をお勧めすることもあります。白内障手術は濁った水晶体をとりのぞき、代わりに薄い眼内レンズをいれるので、隅角が広くなり、房水の通り道を確保できるという仕組みです。
白内障手術
眼内レンズ
早めのご相談を
初めてご相談される方はネット予約が便利です。
急性緑内障発作や緑内障の可能性のある方はお気軽にお問い合わせください。
監修者 勅使川原 剛|横須賀中央眼科 院長
医学博士 MBA
MD. PhD. MBA. MA (Interpretation & Translation)
略歴
- 聖路加国際病院外科系レジデント
- 横浜市立大学医学部附属病院
- University of California San Francisco (UCSF)
- University of Bath, UK
- 横浜市立大学医学部 眼科 臨床教授
所属学会
- 日本眼科学会
- 日本臨床眼科学会
- 日本眼科手術学会
- 日本白内障屈折矯正学会
- ARVO (The Association for Rearch in Vision and Ophthalmology)
- ESCRS ( European Society of Cataract & Refractive Surgeon)