その頭痛は目が原因かもしれない!
その頭痛は目が原因かもしれない!
頭痛と一言で言っても、様々な原因があります。
その中でも目の疾患が原因で起こる頭痛も少なくありません。もちろん原因によって予防やケアの方法が変わってくるため、各症状の特徴を知り、いざという時に頭痛タイプを見極める事が大切です。
脳神経外科で問題がみつからなかった方はご一読ください。
頭痛の特徴と目の痛みとの関係
- 頭の片側、または両側のこめかみから目にかけてが鼓動に合わせてズキンズキンと痛む。
片頭痛 - 目の倦怠感や痛みと共に、頭全体がグーッと締め付けられるように痛む。
緊張型頭痛 - 片方の目の奥や頭にえぐられるような激痛が起き、涙や鼻水が出たり、目の充血が見られる。
群発頭痛
片頭痛
片頭痛の症状
鼓動に合わせるようにズキンズキンという痛みが、こめかみから目の辺りに起こります。主に頭の片側ですが、両側に起こる事もあります。
片頭痛の原因
原因はまだはっきりと分かっていませんが、脳の血管が拡張し、周囲を刺激する事で発生した炎症物質がさらに血管を拡張し三叉神経を刺激したりして、痛みを感じていると考えられます。
寝不足、寝過ぎ、空腹、疲労、女性ホルモンの変動などが片頭痛と関係があるとされており、光や音などの強い刺激や、ストレスがなくなった時にも起こる可能性があります。
三叉神経の一部は脳の血管を取り巻くように通っているため、痛みがズキンズキンという脈を打つように感じられます。
緊張型頭痛
緊張型頭痛の症状
緊張型頭痛の症状は目の倦怠感や痛みとともに、後頭部から首筋を中心に頭全体をグーッと締め付けられるような、圧迫されるような痛みがあります。
緊張型頭痛の原因
原因は頭の横の筋肉や肩の筋肉が緊張することで血流が悪くなり、筋肉内に老廃物がたまることで周辺の神経が刺激されて痛みを感じていると考えられます。
デスクワークで同じ姿勢を長時間続けたり、パソコン画面を見続ける、合わない眼鏡をかけているなど、様々な目の疲れによって起こる事があります。その他にも、身近な悩みや問題などの精神的なストレスから症状が出る方もいます。
群発頭痛
群発頭痛の症状
片方の目の奥がえぐられるようなに激しい痛みが起こります。夜から明け方に起こることが多く、涙や鼻水が出たり目が充血するといった症状を伴います。
数分〜3時間痛みが続き、1〜2カ月の間毎日のように1日2〜4回発症します。一度落ち着いた後も半年〜2年おきに発症を繰り返すこともあり、症状が出ている時期のことを群発期と呼びます。
群発頭痛の原因
眠りについてから2時間ほどや明け方に起こる事が多く、これは「体内時計」の不調が影響しているのではないかと考えられています。
何らかの原因によって脳の一部が刺激を受けると三叉(さんさ)神経に痛みを感じ、目につながっている副交感神経が刺激され、痛みや涙などの症状が出ます。
頭痛を伴う目の痛みから考えられる病気
頭痛を伴う症状から考えられる病気は眼精疲労 ・急性緑内障発作があげられます。
眼精疲労
眼精疲労が進行すると、目の周りの筋肉の緊張が全身の筋肉にも伝わり、首こりや肩こりの原因にもなりかねず、ひどくなると自律神経のバランスも悪くなって胃腸や精神面にも影響が出ます。
眼精疲労
急性緑内障発作
急性緑内障発作が進行すると、頭痛、目の奥の痛み、充血、吐き気、虹のようなものが見える、などが起こり、発症してから時間が経つほど視力の低下や視野の狭まりなどの症状が出てきます。治療をしないままでいると、短期間で失明に至ることもあります。
急性緑内障発作
つらい頭痛のために自分でできるケア
日々の生活で行えるケア
片頭痛
睡眠時間の乱れが原因になっている事が多く、平日に片頭痛が起こりやすい人は寝不足が原因であったり、週末に起こりやすい人は寝過ぎが原因になっている可能性があります。他には疲労や空腹、騒音やまぶしさも要因になります。
休みの日にしてしまいがちな寝だめや二度寝は、寝過ぎに空腹も重なり、片頭痛が起こりやすくなります。もし起こってしまったらできるだけ安静にして、暗い部屋などでゆっくり休んでください。
緊張型頭痛
体の緊張を解消するため、同じ姿勢を長時間取らないよう、こまめに簡単なストレッチを行ったりマッサージなどで血行を良くしましょう。
心の緊張をほぐすためには、外の空気を吸ったり、気分転換に散歩をしてみたり、ゆっくり入浴したりしてリラックスしてください。
群発頭痛
少量の飲酒でも症状が出るため、アルコールの摂取を控えることが大切です。
睡眠時間が不規則になると予想していないタイミングで頭痛が起きる事がありますので、長い時間昼寝をしたりしないよう規則正しい睡眠時間を心がけてください。
上記の方法は症状を軽くするものではないので、早めに受診されることをお勧めいたします。
栄養補給によるケア
最近は予防医療が推奨されるようになっており、サプリメントの人気が高まってきています。
特に有効と考えられている成分がルテイン・ゼアキサンチンで、これら有効成分については 中央眼科が考えるサプリメントとの向き合い方でご紹介しています。
直接的に病気を治療するものではありませんが、日ごろから目に優しい成分を摂取することが重要です。スマホやパソコン等のブルーライトが気になる方は、眼科医監修の「マキュラサポート」をご案内しています。
監修者 勅使川原 剛|横須賀中央眼科 院長
医学博士 MBA
MD. PhD. MBA. MA (Interpretation & Translation)
略歴
- 聖路加国際病院外科系レジデント
- 横浜市立大学医学部附属病院
- University of California San Francisco (UCSF)
- University of Bath, UK
- 横浜市立大学医学部 眼科 臨床教授
所属学会
- 日本眼科学会
- 日本臨床眼科学会
- 日本眼科手術学会
- 日本白内障屈折矯正学会
- ARVO (The Association for Rearch in Vision and Ophthalmology)
- ESCRS ( European Society of Cataract & Refractive Surgeon)